直接エタノール燃料電池(ちょくせつエタノールねんりょうでんち、Direct-ethanol fuel cell、DEFC)は、エタノールを燃料とする固体高分子形燃料電池の一種。

概要

直接エタノール燃料電池の構造そのものは、普通の固体高分子形燃料電池とほぼ同じである。 特徴は改質器でエタノールから水素を作らずに、燃料極で直接反応させることである。

例として、プロトン交換膜を用いた直接エタノール燃料電池の電池反応を示す。

燃料極: C 2 H 5 OH 3 H 2 O 2 CO 2 12 H 12 e {\displaystyle {\ce {{C2H5OH} 3H2O->{2CO2} {12H } {12{\it {e}}^{-}}}}}
空気極: 3 O 2 12 H 12 e 6 H 2 O {\displaystyle {\ce {3O2 12H 12e- -> 6H2O}}}
全反応: C 2 H 5 OH 3 O 2 2 CO 2 3 H 2 O {\displaystyle {\ce {C2H5OH 3O2 -> 2CO2 3H2O}}}

このように直接エタノール燃料電池においては、エタノールが燃料極で直接酸化される。 反応生成物として、燃料極では二酸化炭素、空気極では水が生成する。

長所

  • 従来の水素を燃料とする燃料電池と比較して高圧タンクや水素吸蔵合金が不要
  • 燃料のエタノールはメタノールと比較して毒性が低い

短所

  • 燃料がメタノールよりも高価

脚注

関連項目

  • 固体高分子形燃料電池
  • エタノール
  • 触媒毒
  • 白金

日産、ソルガム由来バイオエタノールを燃料とする定置型発電システムの実証実験開始(2024.3) 株式会社グリーンプロダクション

【画像ギャラリー】ブラジルやアメリカで普及するバイオエタノール燃料車 日本での普及の可能性は?? 自動車情報誌「ベストカー」

2020年にも実用化!? バイオエタノール燃料使用の「eBio FuelCell」技術 Motor Fan's YEAR 2016

【2024年】メタノール燃料電池 メーカー6社一覧 Metoree

日立、直接メタノール形燃料電池向けに電極を開発、コストを約45%低減 環境ビジネスオンライン