ハマセンナ(浜旃那、学名:Ormocarpum cochinchinense)は、マメ科ハマセンナ属の落葉低木 - 小高木。別名はハマエンジュ(浜槐)。
特徴
高さ5 m程になる。葉は奇数回羽状複葉で長さ8-10 cm。小葉は長楕円形で先端は円頭、9 - 17対が互生して付く。花は白 - 淡黄色の蝶形花で長さ約1.5 cm、脈が紫褐色を呈する。花は葉腋に総状花序又は束生状に2 - 6個付く。開花期は6 - 9月。豆果は長さ約10 cm、幅約6 mmと細長く、5 - 8個の小節からなり、小節間はやや狭くなる。果実は節ごとに落ち、海流散布される。
分布と生育環境
奄美大島以南の南西諸島。日本は北限の分布地。種子が海流散布されることから、台湾、中国南部、東南アジア、旧世界の熱帯から亜熱帯の海岸に広く自生する。海岸近くの低地の林縁に点在するが、沖縄ではやや稀。
利用
材は白色、軽柔で脆弱。砂防植栽に適する。日陰樹、緑肥に用いられる。民間療法で薬用にするが、植物体は有毒。
久米島ではヤギの飼料とする。方言名ヒザーメ。
ギャラリー
脚注
参考文献
- 国土交通省・財団法人自然環境研究センター『奄美群島生物資源webデータベース』2005年。http://www.amami.or.jp/seibutsusigen/detail_plant/plant_detail_557.html。2022年10月11日閲覧。
- 屋比久双実『沖縄の自然を楽しむ海岸植物の本』アクアコーラル企画〈おきなわフィールドブック〉、2014年。ISBN 9784990441302。
- 大川智史、林将之『琉球の樹木』文一総合出版、2016年。ISBN 9784829984024。
- 片野田逸朗『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056。
- 米倉浩司、梶田忠『BG Plants 和名-学名インデックス(YList)』2003年。http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=4982。2022年9月26日閲覧。
- 大橋広好『植物の世界』 4 種子植物、朝日新聞社〈朝日百科〉、1997年。全国書誌番号:98037708。
- 中尾裕『八重山の豆蔵』南山舎、2015年。
- 初島住彦『琉球植物誌』(追加・訂正版)沖縄生物教育研究会、1975年。全国書誌番号:69004111。
- 初島住彦、中島邦雄『琉球の植物』講談社、1979年。全国書誌番号:79021538。
- 天野鉄夫『図鑑 琉球列島有用樹木誌』沖縄出版、沖縄県浦添市、1989年、114頁。
外部リンク
- ハマセンナ 山散歩 花散歩 徒然想
- ハマセンナ 西表島植物図鑑
- ハマセンナ(浜旃那) 野の花賛花 ―自生の姿を追って―


